そこに至福がある

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たとえ消え去るにしても

先日、アニメ「ReLIFE リライフ」を見ました。
本当に良い作品で、悲しくも嬉しくも、そして完結しないでもっと見ていたい…と心の奥からそう思った作品でした。
以下、本作のネタバレも含みます。

リライフ研究所とは、若返りの薬を飲んで、高校生の頃に戻り一年間やり直すという試みをしている研究所です。というのがまず前置きです。
引きこもりになった海崎新太は、若返りの薬を飲み、一年間だけ高校生になりすまし社会復帰のためのリハビリをすることになりました。
ヒロインの日代千鶴も、若返りの薬を飲み、海崎新太と同じ高校で高校生として生活を送ります。
しかし、同じクラスの海崎新太と日代千鶴は共にお互いに素性を知ることはありません。お互いに10年ほど若返っているという事情を。
そんな中、高校生活を送りながら二人は徐々に接近していきます。しかし、一年間の生活を終えた後はお互いの記憶はそれぞれ消え去ります。恋する思い、楽しかったこと、悲しかったこと、すべての記憶が消え去ります。しかし、本人たちはそのことを知りません。

ある祭の日。リライフ研究所の夜明了は、煮え切らない二人のため、海崎新太と日代千鶴を二人きりにさせるよう後押しします。
夜明了は、最後は二人のお互いの記憶が消え去ることを知っています。どんなに熱い恋をしても、かけがえのない思い出も最後にはすっぽりと抜け落ちてしまうことを。それでも、二人の恋を後押ししました。夜明がどんな思いで後押ししたのかはわかりません。
二人の恋が実るような場面。しかし、その二人の記憶が近いうちに消えることはわかっています。こんな局面で、恋が実るようサポートするというのは複雑な気持ちに違いありません。

どうせ、その記憶は卒業式の後には消えてしまう。ならば、恋をすることなんてムダじゃないか? そんな切ない思いをするなら、恋なんかしない方がマシではないか…なんて観客としてはヤキモキしたり感傷的になってします。
しかし、それは海崎新太や日代千鶴だけのことではなかった。なぜなら、私やあなたも遅かれ早かれ身体は朽ち果て、記憶は消え去るのだから。
夜明了は、二人の記憶が消え去ることがわかっても恋を後押しした。思い出を共有できる残り時間が少ないとわかっていても。
そうなのだ。「私やあなたがやがて消え去るから恋をするのはムダ」なんて、誰も思わないだろう。消え去るとはわかっていても、いや、消え去るとわかっているからこそ、たくさん恋をして、冒険して、泣いて、笑って、苦しんで、人生を謳歌するべきなのかもしれない。
だから、夜明了がした後押しは正しかったのだ。仮に1ヶ月後には二人の恋の記憶が消えるとわかっていても。私たちの人生も消え去ることは同じなのだから。それは単に時間軸が少しだけ長いか短いかの違いに過ぎないのだから。